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そして船はゆく。地中海フェリーの旅

 4月28日、火曜日。ティレニア海を渡り、シチリア島へ。前日は近隣のアマルフィ海岸に行くボートが天候不順で欠航したということで、少し心配していたが、夕方にはなんとか天候も回復し、乗船時にはナポリ湾に大きな虹がかかっていた。多少の嵐でもこれだけの大きな客船フェリーなら大丈夫だろう。
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 大きな船だが、乗客用のタラップはなく、車も人もみな船倉のお尻から搭乗するのはご愛敬。

 内部にレストラン、バー、映画室、子供用の遊び場までついている。夜8時過ぎにナポリ港を出港、朝の6時過ぎにはパレルモ港に入港する。

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icon_bl_02.png ティレニア海フェリー Tirrenia di Navigazione
 ジェノヴァ、ナポリ、パレルモ、トラパニ、カリアリなどを結ぶフェリー。ナポリ→パレルモ航路は1日1便。上記サイトからもオンラインで予約できるが、サイトの使い勝手が少々悪いので、私たちは FerriesonlinePlain_ble_Right.pngから予約し、eチケットの発券を受けた。船室は1等窓ありツィン(Cabin Doppia int. 1 c)で144.。ホテルに1泊しながら旅行したと考えれば、リーズナブルな料金だ。
 ちなみにこの船の名前「Vincenzo Florio」は、シチリア生まれの実業家で、「タルガ・フローリオ」という自動車レースを始めた人物の名前に由来(しているかも)。

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ナポリ港を出港するころには、
ヴォーメロの丘の上に三日月が

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ティレニア海の朝焼けの向こうにシチリア島が見えてきた

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朝7時、パレルモ港へ上陸。
ここから徒歩でホテルへ向か

icon_bl_02.png パレルモのホテル Residenza d'Aragona
パレルモ港のフェリー埠頭から徒歩10分ほど。ローマ通り(Via Roma)からちょっと入ったところにあり、最初は場所がわかりにくかった。市内観光名所へは徒歩圏内。広々としたスイートでキッチンの設備もついている部屋だった。室内で無線LAN可。3泊で270。

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シチリアの真髄──パレルモの歴史的建築

「シチリアなしのイタリアは、われわれの心中に何らの表象ももたらさない。シチリアにこそはすべてに対する鍵があるのだ」──といったのは、ゲーテだとか。

 荷物をホテルのフロントに預けたまま、私たちは早速、シチリアの都、パレルモの市内観光に出かけた。それが私たちの心中にどんな表象をもたらすのかを期待しながら……。

 シチリアといえばマフィア、あるいは赤銅色に日に焼けた農民や漁民、はたまた荒野に残されたギリシア遺跡など、人によってあらかじめ抱くイメージは異なる。「白昼堂々、マフィアが街を歩いているわけないじゃないか」と思いつつも、すり込まれたイメージは恐ろしいもの。そうした先入観は私の中にもあった。けれども、できるだけ白紙のカンバスのように頭をまっさらにして、まずはパレルモ中心部、歴史的な街並みの色の中に飛び込んでいくことにしたのだ。




P1020451.jpgPlain_wht_Left.pngCity Sightseeing Palermo と呼ばれる
2階建ての観光バスでぐるっと街を周遊。
2路線が運行しており、1枚の切符で24時間、
2路線乗り放題、乗り降り自由。
日本語のイヤホンガイドもある。
1路線40分ほどかかったと思う。
起点としてはポリテアーマ劇場前が便利。
料金一人20




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Plain_wht_Up.pngクアトロ・カンティ
Quattro Canti はパレルモ旧市街の中心。四つ角にある建物の面が交差点を丸く切り取るように凹面をなし、統一のとれたバロック様式のファサードになっている。美しいレリーフがそれぞれの壁面を飾る。まるで交差点が舞台の中心であるかのようだ。想像していたのはもっと広々とした交差点だったが、建設は17世紀初頭のこと。今となっては、あっけないほど狭い四つ辻である

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Plain_wht_Up.pngポリテアーマ劇場 Teatro Politeama。1874年落成。パレルモの歴史的建築では比較的新しい部類に入るが、その新古典様式を私は気に入った。ここから北側が新市街。2階には現代アートの美術館もあるようだ(行かなかったけど)

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Plain_wht_Up.png映画『ゴッドファーザーPartIII』で日本でもよく知られるようになったマッシモ劇場 Teatro Massimo。息子のオペラ初舞台を観賞中のマイケル・コルレオーネ(アル・パチーノ)の暗殺が企てられ、階段で娘メアリー(ソフィア・コッポラ)が流れ弾にあたって倒れる。あの舞台だ。あの階段(墜ち)のシーンは、ワタシ的には「戦艦ポチョムキン」「蒲田行進曲」(笑)に並んで印象深い。
評判に違わぬ新古典様式の堂々たる建物。客席数3200は欧州でも屈指の大きさとか。パレルモ出身の建築家バジーレ父子の設計になる。

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Plain_wht_Left.png12世紀にノルマン人がパレルモを統治するようになり、かつてのアラブ人の城塞はノルマン王宮となった。その2階にもうけられているのがパラティーナ礼拝堂 Cappella Palatina 。

 大理石アーチにこれでもかというぐらいモザイク画が散りばめられ、全体は黄金色に輝いている。モザイク画の一つひとつに物語がこめられているのだが、それを理解するのは私の知識では容易ではない。すごい装飾だということわかるんだけど、なんか、じっと見ていると眩暈がしちゃうんだよなあ。

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Plain_wht_Up.pngクアトロ・カンティの各壁面の装飾。彫刻は縦に3層になっている。
第3層を飾るパレルモの守護聖女像の一つ
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Plain_wht_Up.pngポリテアーマ劇場のファサードを飾る四頭立て二輪馬車のブロンズ像。2階建て観光バスに乗ると、躍動感あふれる彫刻美を間近に捉えることができる。



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Plain_wht_Up.pngマッシモ劇場では、公演のない日は、1日数回、ガイド付きの見学ツアーが行われている(5)。なんとかこの日の最終ツアーに間に合った。たまたまイタリア語のツアーだったので説明はよくわからなかったけれど、アール・ヌーヴォ様式の見事な内装に感心。「次回の舞台のリハーサル中だからフラッシュはダメよ」(ここだけ英語)と言われて、スローシャッターで撮ってみた。

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Plain_wht_Up.pngマンマ同伴の小学生たちと一緒に劇場見学ツアーに参加。音響効果にすぐれ、小さなささやき声も大きく反響するという貴賓室のようなところで、「はい、あなた。真ん中に立って何か喋ってみて」(ここも英語)と美人のガイドさんに言われ、Mi chiamo …… と、これだけはすぐに出てくるイタリア語で自己紹介をするハメになった(笑)。

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Plain_wht_Up.pngヌオヴァ門(ポルタ・ヌオヴァ Porta Nuova )を支える4体のサラセン人(イスラーム教徒)の人柱像。腕を切られている人がいるのは、なぜだろう?

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Plain_wht_Up.pngノルマン王宮前のヴィットリオ・エマヌエーレ通りを東の海側までまっすぐ延ばすと、フェリーチェ門 Porta Felice に至る。門というよりは2つの建物が道路をはさむような形状になっている。17世紀の建築

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Plain_wht_Up.pngフェリーチェ門からヴィットリオ・エマヌエーレ通りを望む。はるか2km先にヌオヴァ門が見える。この直線路の延伸工事は16世紀末。よくできた都市計画だ

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Plain_wht_Up.pngV.エマヌエーレ通りから旧市街に一歩入ったところに、ひっそりと建つサン・フランチェスコ・ダッシジ教会 San Francesco d' Assisi。バラ窓が印象的な13世紀のロマネスク建築

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Plain_wht_Up.png旧市街でみかけた人家の窓

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Plain_wht_Right.pngこちらはぐっと新しい、ファシズム期の建築。ローマ通りに面し、中央郵便局のオフィスとして現在も使われている。未来派の一人といわれたアンジョロ・マッツォーニのデザイン